こんにちは、今回も人へ上手く伝わえる話し方について、書いていきたいと思います。
今回は雲・雨・傘の論理についてご紹介します。
これは、みなさんが普段からもっとも使っている、人に伝える表現方法のため、頭の中にスッと入ってきやすいんではないかと思います。
雲雨傘の論理とは、思考のプロセスを表現化させたものです。
雲・雨・傘の論理とは
事実に沿った出来事に対して、自分がどう考えるか解釈して、行動または実行に移すかという表現方法の一つになります。
ここで一つイメージを記載します。
空をみると、大きな雲がある。
大きな雲があって、雨が降りそうだな。
雨が降りそうだから傘を持って行こう。
となります。
「大きな雲」という事実は、問題提起となります。
「雨が降りそう」という解釈は、自分の現状分析です。
「傘を持って行こう」という行動は、解決策となります。
‘空を見て、雲があるから傘を持っていく’
その一連の動作は無識で行っています。
その考え方を一つの「型」と考えて、人に伝えるとき(文章に起こすとき)に当てはめてみましょう。
雲・雨・傘の注意点
雲・雨・傘でありがちなのが「雲:事実」だけで、人に(上司・先輩)に聞いて(確認、報告など)しまうこと。
例えば、自分が担当している仕事があるとします。
「今、私の担当している⚪︎⚪︎の案件ですが、ここまでしか進んでいません。理由は何々で状況は⚪︎⚪︎といった感じでした。」
これでは雲があったという事実(問題提起)だけを突きつけられて、相談された上司・先輩は困ってしまいます。
その事実にはあなた自身の考えや解釈など一切ないからです。
それでは、伝えた人はただの伝言係でゲームをしているのに過ぎないのです。
また、付け加えるのなら、伝言した人の成長などはありません。
そこで、どうしたらよいか解説します。
まず、以下3つについて考えます。
- 事実(雲)に対して理解すること。
→事実を簡潔に説明できるくらい - 自分なりに解釈(雨)し、現状分析すること。
→あくまでも、「自己分析ですが※」を枕詞に、自分なりに考えること。
※付け加えなければ、報告を受けた相手は、事実なのか不明のため - 自分がどう行動するのか、またはどう行動(傘)したいのか。
→事実・問題があり、自分なりに予想(解釈・自己分析)したことになります。それに対し、自分がどう行動すれば、その問題が解決できるか、行動(提案)することになります。
自分自身が事実に対してどう解釈し、行動したいかを具体的に上司・先輩に伝えることこそが、雲・雨・傘の理論を用いた人への伝え方となります。
そして、伝えられた人(上司)は、意見を基に、その行動を起こしても良いものなのか、上司としての判断材料にもなります。
なぜ、雲・雨・傘が使われているのか
雲・雨・傘が使われている理由は3つです。
- 普段から使い慣れている会話方法
- 人に伝える上でのチェックリストとして機能させることができる
- 自分の頭の中をスッキリ構造化させることができる。
1.普段から使い慣れている会話方法
人との会話で一番多い会話手法は雲雨傘です。
無識で皆さんが実践しております。
理由は、私たちは小さい頃から親や学校の先生などから何か問題があると・・・
「何があったの」(問題提起)、「それは○○してだったね(自己分析)」、「今度から気をつけようね(解決策)」
のように話をしたと思います。
そのため、私たちは小さい頃から雲雨傘の話方で慣れています。
2.人に伝える上でのチェックリストとして機能させることができる
問題を生じた段階で、以下の内容を頭の中に箱として置くことで、チェックリストとして機能させることができます。
頭の中の箱が全部、埋まらなければ、うまるように知識を補填することができます。
そして、知っておかなければならない状況の抜けが無くなりやすいです。
雲:事実・問題提起
雨:解釈・自己分析
傘:行動・解決策
3.自分の頭の中をスッキリ構造化させることができる。
雲・雨・傘で物事を整理できたら、次に、紙に書きましょう。
理由は3つ。
- 要点を整理することができ、無駄な説明を省くことで、より相手にわかりやすく説明することができる
- 人に説明する上で自分自身のメモになる
- 相手から質問を受けた際の確認になる(自分があたふたしなくなる)
自分の頭の中をスッキリ構造化することができ、かつ相手からの思わぬ問答にも対応することができます。
何もみなくても大丈夫だと言う人もいると思いますが、紙に書くことが、より一層、頭の中をスッキリ構造化することができ、説明のし易さも上がります。